韓国栄州市へ視察訪問

2012.07.05

新たな交流都市が誕生を望んで

yongju1韓国榮州(ヨンジュ)市とは、2004年から、サッカーや農業を通じて、相互に民間交流が続いています。
平成24年7月5日から8日まで、友好交流関係都市提携準備の一環で、富士宮市須藤市長が団長とし、事前視察訪問へ行ってきました。FAIRからは提携後の交流支援のため、白垣会長と都市交流委員会の京角好美副委員長が同行しました。

栄州市は 人口11万6千人 面積:668.89平方キロメートル。
都農複合型都市・ソウルから高速道路で約3時間、仁川空港から3時間半。
韓市の特産は、全国一を誇る高麗人参、リンゴ、韓国赤牛の産地としても知られています。
国最初の賜額書院である紹修書院、錦城大君の忠節の魂がこもっている錦城大君神壇と順興邑内里壁画古墳など、多くの伝統文化遺跡が残っていて歴史の息吹とソンビ精神を感じられる都市。
(※ソンビとは、学識が優れ、行動と礼節があり、義理と原則を守り、権力と富裕栄華をむさぼらない高潔な人柄を持った人の呼称:儒教を学ぶ人、学者)

yongju25日、金晋榮(キム シンヨン)会長ほか関係者が出席して、歓迎会が行われました。
「このたび友好交流関係都市の協定を提携することになると聞きました。
文化・政治・経済など世界のグローバル化が一段と進む中、本当に良いことだと思っています。
私も微力ではありますが、行政関係の皆さまと連携をとりつつ、栄州市国際交流協会の金会長と力を合わせ、今後、いろいろな分野で交流を活発化させるお手伝いができれば良いと考えています。」
と、白垣会長があいさつしました。

なお、席上記念品の交換が行われ、当協会からは「木目込みの雛人形」を記念品として贈りました。

yongju36日午前、市議会を訪問。朴南緒議長、朴贊勲副議長など議会関係者が暖かく迎えてくれました。
議会では各委員会活動が活発で、立派な委員会室が整備されていました。
午後、市役所を訪問。市議会庁舎とはバスで15分ほどの距離にあります。

あいにくの雨でしたが、市の職員が庁舎入り口で出迎えるなか到着。
早速、金宙榮(キム ジュヨン)市長他栄州市幹部との交歓会が行われました。
会では、栄州市紹介のDVDや他目的ダム建設事業など公共事業の説明があり、栄州市の発展の可能性を感じました。

yongju47日、ソンビ村を視察。
「ソンビ村」は栄州の文化を広く知らせ、韓国の伝統文化が体験できる教育の場です。村内には、栄州に点在する古い家や寺などが正確に復元され、往時の町並みを再現しており、昔の人々の生活空間を知ることができます。
また、歴史的なさまざまな体験イベントを通じて韓国の伝統文化を知ることができます。それだけでなく、ここでは伝統家屋で宿泊体験ができ、昔のソンビたちの素朴な生活がうかがえる伝統文化イベント、礼節教育、観覧/体験などを通して韓国の文化を直に感じることができます。

栄州市とは、今後、相互に中学生交流をしようとの計画があります。
yongju5子供たちが、この交流を通して、日本とは違う異文化を体験することで、見識が広まり、また、栄州市は、ソンビ精神を感じられる都市としての特徴があり、礼儀作法や年長者を敬う心など、見習うべき倫理観というか道徳観があり、それを感じることができると思います。
今回、その宿泊先として予定しているソンビ村と交流予定先の栄光(ヨンガン)中学校を視察しました。

州市には6校中学校があります。
その内4校が私立中学校、2校が公立中学校であり、訪問した栄光中学校は男女共学の私立中学校です。
校訓を「敬天愛人」とし、教員数は49人、577人の生徒が学んでいます。
学力優秀で、栄州市内ではもちろん、慶尚北道の中でもトップクラスです。
まず、玄関先で、栄光中学校朴雲緒校長を始めとする約20人の教員が出迎え、生徒7人が演奏する太鼓(ドラム)の歓迎を受けました。
演奏した生徒たちは「セロトニンドラムクラブ」のメンバーで、以前はいじめや不登校、といった問題を抱える学校不適応生徒であったことを聞いて非常に驚きました。

yongju6日本の都市交流は、英米を中心とした姉妹都市交流に始まり、その後、日中正常化を受けて、中国各都市との都市提携が行われ、近年は、韓国との交流にシフトしてきています。
中国とは、浙江省紹興市と友好交流関係都市提携を結んでおり、当協会としても交流支援を主要事業と位置付けています。
現在、隣国韓国で唯一交流のある栄州市とは、富士宮サッカー協会によるサッカーや農業を通じての交流が主体でありますが、将来にわたって共に発展していくよう友好交流関係都市の提携を結ぶことは、富士山が世界遺産に登録されるだろうことを含めて、大変意義のあることだと思います。
当協会としても、中国紹興市同様に交流支援をしていきたいと考えています。